NPO法人ぜんしんの理事長を務める 柳川 涼司さん 中堂在住 39歳
ひきこもりから自立を支援
○…テレビゲーム日本一の記録を持ち、独自のゲーム攻略理論を活用して不登校やひきこもりの自立支援に取り組む。目標（クリアー）を設定し、そこまでの選択肢（ステージ）や、やり方（攻略法）を細かく分析。現状を一つのゲーム攻略に見立て、楽しみながら社会復帰を促すというユニークな試みだ。その発想は、内閣府の「社会起業プランコンテスト」で最優秀賞を受賞している。
○…主な活動は毎月第４土曜の「居場所」の開催。不登校・ひきこもりの子どもや保護者が気軽に集まり、雑談や相談が出来る場所だ。自身を含め不登校・ひきこもり経験のあるスタッフが多く、「気軽に相談出来る」と相談が増えているそうだ。柔軟に対応するため、他団体との連携も広げる。「自分一人ではここまでのことは出来なかった。周りのスタッフにも助けられてます」と目を細める。
○…生まれも育ちも平塚。不登校になったのは、ゲームにのめりこんだ学生時代。「高校中退後、社会に出た時にとても悔しい思いをした」と、苦い経験を語る。悔しさをバネに奮起し、大学に進学。その時、ゲーム攻略理論が生まれた。「不登校やひきこもりになる子は自信をなくしている場合が多い。出来ることから一つずつ攻略し、自信を取り戻すことが必要」と話す。
○…現在は厚労省と県の委託事業でパソコン講座の講師をするなど、活動の場が広がっている。ぜんしんでも今年度から就労支援のパソコン講座を月１回、新たに開催していく。しかし、まだ課題も多い。その一つが認知度だ。「ゲームを題材にした支援って何？とよく言われる。もっと情報を発信して、知名度と信頼感を高めないと」と、力強く語る。「昔の自分と同じ状況の子どもたちに、一人でも多く元気になって欲しい。これを平塚発のモデルケースにできれば」と展望を語った。
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