全国高等学校総合文化祭「小倉百人一首かるた部門」に県代表として出場する 構(かまえ)祐美子さん 江南高校3年 17歳
攻めるかるたで畳鳴らす
○…コンマ数秒の世界で札を取り合う、「畳の上の格闘技」と称される競技かるたを中学生から続け、全国高等学校総合文化祭茨城大会(7月27日〜)の「小倉百人一首かるた部門」に神奈川県代表の主将として出場を決めた。2年生で臨んだ昨年は予選敗退。「チームのレベルは上がっていると思う。一つでも上を目指したい」と、辛酸をなめた昨年の雪辱を期し、強豪ひしめく全国の舞台に挑む。
〇…百人一首の研究書を持つ祖父の影響で、幼いころから古典に親しんだ。「でも、百人一首に興味があったわけではないし、かるたのルールも良く分からなかった」。小学5年生で出場したかるた大会は、ビリから2番目と散々の結果。「もっと強くなりたい」と、中学校で入部した演劇部は1年生の夏で辞め、地元のかるた会に入った。「最初は全然勝てなかった。それが悔しくて」と、自宅に帰れば一人取りの練習を重ねた。粒粒辛苦の末に今がある。
〇…競技かるた部の強豪として知られる江南高校に進学後、自身の競技スタイルを見直した。「3年生の先輩から、『守りも良いけど攻めも大切』とアドバイスを受けたことがきっかけ」と振り返る。自陣の札を取ることに専念する「守りのかるた」に徹していたが、敵陣の札まで全て取るつもりで試合に臨む。周囲も目を見張る成長を遂げ、江南の看板選手として実績を重ねた。
〇…今年1月の大会で優勝を飾り、高校在学中の目標だった4段に昇段。「12月から準備をしなきゃと思っていたのに、年末年始に食べ過ぎたせいで体が重くて」と、県内に4人しかいない高校生4段の座を気負いなく射止めた。今後はさらなる昇段を目指す一方、大学受験に向けた戦いも近い。「高校の先生として競技かるたを教えたい気持ちもあったし、得意の理系科目を生かした仕事にも就きたい」。進路の迷いはひとまず置いて、畳に敷かれた札を狙う。
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