馬入水辺の楽校の会の会長を務める 臼井 勝之さん 見附町在住 62歳
野遊びを子どもたちに
○…「原っぱ自体が『天然記念物』だと思うんだよね」と、建物に遮られることなく、大きく開けた空を仰ぐ。馬入ふれあい公園の近くにある「馬入水辺の楽校」は大きな風車が目印。風力で水を汲み上げ、カエル池と呼ばれる池に続く小川に流す。生き物が住みやすい環境になるよう、外来植物の除草やビオトープ作りを行った。「自然環境を復元して、子どもたちが動植物にふれあえる場所になれば」。活動13年目。準絶滅危惧種のカヤネズミをはじめトンボ、カエルなどの生き物たちが根付いてきた。
○…平塚生まれ、平塚育ち。活動の原動力は子どもの頃に自然の中で目いっぱい遊んだ思い出だ。「魚とりやトンボとり、鬼ごっこ、かくれんぼとかね。夢中で遊んだよ」と懐かしむ。21歳の時に野鳥観察のメッカだった相模川河口の干潟を開発から守ろうと、「相模川河口の自然を守る会」に入会。思いつく限りの活動を行ったが、2000年に干潟は水没した。「あの時の敗北も今の活動につながるかな」
○…妻の一枝さんと共に夫婦で活動に励む日々。子どもはいないが、「水辺の楽校」で出会う子どもたちの笑顔にパワーをもらう。相模川中洲で生き物採集などを行う「ヤギ島探検ツアー」では、「無人島」に足を踏み入れる冒険心をくすぐる。「みんな良い顔をする。昔の子どもと同じ笑顔になる。導く人がいないと、川に入ることもないからね」と、ライフジャケットを着用させ、川の危険などを教えながらツアーを行った。
○…現在会員数は約120人。それでも、会の活動日以外に原っぱや手作りの小川で遊ぶ子どもたちは少ない。「水辺の楽校は会のものじゃなく、みんなのもの。たくさん遊んで欲しいんだけどなぁ」とため息交じりに笑う。「一番の成果は河川敷が開発されずに、自然環境が残ったこと」。子どもたちの笑い声でいっぱいの原っぱを目標に、野遊びの場を提供する。
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