社会福祉法人平塚市社会福祉協議会会長 金田 和子さん 平塚在住 73歳
奉仕で彩られた30年
○…平塚市社会福祉協議会(社協)初の民間登用の会長に就任。30年続けた民生委員や、富士見地区福祉村の立ち上げに関わるなどの実績を買われ、落合克宏市長から依頼された。「最初はお断りするつもりだったの。でも市長から直に話を聞いたら断りづらくなっちゃって」と大きく笑う。ひと月ほど悩んだ末に、福祉に対する市長の思いに共感し、引き受けることを決めた。
○…週に2度、社協で仕事をし、それ以外の日は現場回りをするなど忙しい日々を送るが、30年続く書道教室の先生という一面も持つ。「昔から毎週月・金は書道の日って決めてるのよ」と、すっかり生活の一部になっているようだ。「書道はいい息抜き。個展を開いたり、書道展に出展したりもしてるのよ」と、自慢の行動力は公私にわたる。
○…生まれは栃木。子供の頃から身体が弱く、手術を繰り返していた。早くに父を亡くし、東京の兄の下で過ごすが、結婚を機に25歳で環境のいい平塚へ。最後の手術が成功した後、父代わりだった兄の勧めでボランティアを始めた。「兄はお殿様だったから逆らえないの」と冗談交じりに笑うが、穏やかな口調からは、きっかけを与えてくれた兄への感謝の気持ちが感じられた。
○…「会長になって、社協は住民の善意と誠意、ボランティアで成り立っていると実感した」と話す。同時に「社協はPRがあまり上手ではない」とも。子供から高齢者、障害者まで福祉分野の行政サービスの手が届かない部分をフォローするのが社協の役割。本来は誰もが気軽に訪れる場所だが、一部の高齢者や障害者向けの福祉活動が一人歩きしている実情もあるという。「もっと誰でも相談に来られる雰囲気を作らないと。そのためにはPRの仕方を考えなきゃ」と、真剣な面持ちで今後の課題を見据えた。
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