第50回神奈川県看護賞を受賞した 五十嵐 範子さん 河内在住 55歳
患者の思いを伝えたい
○…長年にわたり献身的な活動を続ける保健師や助産師、看護師を表彰する神奈川県看護賞。受賞の知らせを聞いたときは、「信じられない、と思うほどびっくりしました」と目を丸くして話した。今年度は10人が表彰され、市内からの選出はただ1人。「今の自分は病院に育ててもらったようなもの。周りの人たちにも恵まれた」と、勤務先の研水会高根台病院で培った経験が受賞につながったと感謝する。
○…現在は看護部長として職員の先頭に立ち、「自分がやってもらったらうれしいこと」を念頭に置く。仕事中は「気づきができる看護」の視点を持って患者の目線でケアを実践。「一つひとつのケアを通して患者さんから素直で正直な気持ちが伝わってくる。優しい言葉がけだけではなく、その気持ちを大切にしています」と、会話だけでは知ることのできない患者の内面に触れることも重要だという。
○…看護職を目指す人が減りつつある現状は、医療現場にとって頭の痛い悩み。同院では、「かながわ看護フェスティバル」の一環で、学生を受け入れる看護体験プログラムを実施。また、子育てなどでブランクを持った「潜在看護師」の看護体験を行うことで、教育機関の役割を担う。「日々の業務であわただしい中、自分が考えていた看護観にギャップを感じてしまう人や、『看護師は大変そう』と思う人が少なくない」という。「患者と一緒に考え、寄り添うのが本来の姿。とても魅力を持った仕事です。『看護っていいな』と思える基盤づくりをしていきたい」と意気込む。
○…認知症ケア学会認定の資格を生かして、「認知症を抱える患者の代弁者になりたい」と今後の抱負を語る。「(認知症を抱える人は)なかなか自分の思いを伝えるのが難しい。知識を高めて、話を噛み砕きながら、患者の思いを伝えることができれば」。理想の看護の求道者として、また新たな一歩を踏み出す。
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