陶芸公募展「菊池ビエンナーレ」で作品が入選した 馬場 芳道さん 寺田縄在住 76歳
土と炎に魅せられて
○…現代陶芸の公募展「菊池ビエンナーレ」で『炭化化粧紋大鉢』が入選作品に選ばれた。これまで他の公募展へ継続して出品してきたが、同展への出品は今回が初。抜擢に驚きもあったという。「比較的新しく現代的な、日本の中でもハードルの高いコンクール。自分らしくシンプルな作品で結果をいただけてうれしい」と笑う。
○…岩手県出身。幼いころから絵や工作が好きだったという。兄が寺田縄で始めた鉄工所の手伝いを頼まれ、平塚に移り住んだ。そして30歳のとき、市青少年会館で陶芸クラブがあることを知り、そこで作陶を体験したことからこの世界に入り込む。「それまでは仕事をしながら、趣味で木工をやっていた。陶芸は自分の手で自由に形を作れることが面白く、夢中になっていきました」とにこり。その2年後、神奈川県の陶芸展で初入選を果たす。「ここで自信がついて、手づくりの窯を作りました」。その後も平塚市展で大賞、国内最大の陶芸公募展「全陶展」で大賞の受賞歴を持つ。
○…寺田縄で陶芸工房「芳乃和(よしのわ)」を構え、生徒たちとともに日々作陶に励む。「工房で習い始めた人の中では、もっと早く始めればよかったという声をよく聞く。それだけ、やればやるほどのめりこめる、奥深い世界なんです」。さっぱりとした口調ながら、陶芸への熱意を語る。
○…約20年ほど、陶芸一筋で歩み続ける。「最近はきっと生活が忙しい人が多く、時間をかけて陶芸をやる人や焼きものへの興味も薄いように感じる。作陶は自分と向き合える大切な時間。作り続ける楽しさはもちろん、暮らしの中で、思い入れのあるものを大切に使う価値を伝えていきたい」と、まっすぐな眼差しを見せた。
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