第94回全国高校野球選手権神奈川大会の開会式で選手宣誓をした 栁田(やなぎだ)凌大(りょうた)さん 県立茅ケ崎西浜高校野球部主将 二宮町在住
感謝の念を胸に全力プレー
○…マイクの前で177cmの背筋を伸ばし、周りの人々に支えられて野球ができることへの感謝を最初に発した。東日本大震災の復興に向けて「勇気と諦めない気持ち」をメッセージに込め、「努力して仲間と一球一球思いを込め、全力で野球に取り組みます」と宣言した。8日、大観衆の横浜スタジアムで行われた第94回全国高校野球選手権神奈川大会の開会式で選手宣誓の大役を果たした。
○…宣誓文はまず自分で考え、3年生部員と相談した。「頭が真っ白になりそうだったけれど、渡辺先生(監督)や国語の先生にもご指導していただいたので、自信を持ってできた」と語る。「凌大の顔を大きく見たい」と、祖父は大画面テレビを購入して孫の晴れ舞台を見守ったという。「両親と祖父母が喜んでくれて嬉しい」と笑顔が弾ける。
○…小学4年で元町セネタースに入団。野球に開眼したのは、町立二宮中学校野球部で外部コーチと出会ってから。「フォームが全然なっていない」と指摘された。バッティングや守備の基本姿勢から徹底的に指導を受け、ひたむきに練習に励んだ。「高校に入ってからも勉強そっちのけ。休日も野球のことばかり考えている」とはにかむ。
○…共働きの両親の背中を見て育つ。小中高ずっとキャプテン。礼儀正しく、周囲を気遣い、常に感謝の心を忘れない。「栁田凌大=野球。両親や祖父母、学校・塾の先生、コーチ、父母会、先輩と後輩。今の自分があるのはこの人たちのおかげ。今まで悪い人に会ったことがない」と言い切る。元球児の父は良き相談者で「自分の中に一本筋を持て」と教わった。「世の中に恩返しがしたい」と消防官を志す。早く一人前になって両親らを安心させたいという健気で孝行な18歳。
○…「傑出した選手はいないが、一人ひとり持ち場の仕事ができるチーム。一昨年のベスト16以上、その先の優勝を狙う」と力強い視線をグラウンドへ向けた。
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