第60回おおいそ文化祭の運営委員長を務める 石黒 幸久さん 大磯町西小磯在住 74歳
常に前向き精力的
○…大磯町と国府町が合併した60年前から毎年開催されている同祭。参加団体から一人ずつ運営委員会に参加し、チラシの手配から各団体のとりまとめまで、全てを参加者たちで作る「手作りの文化祭」だ。大磯町観光協会の会長である井上浩吉氏が長年運営委員長を務めてきたが、2年間副委員長を務めた自身に白羽の矢が立ちバトンを引き継いだ。「大変だけど、誰かがやらないといけない役だからね」と快活に笑う。
○…自身が所属するのは大磯混声合唱団。幼少の頃から大磯に住みながら、わき目も振らずに仕事に打ち込んできた。定年退職した14年前、「何かやることを見つけなきゃ」と地域に目を向けた時に夫人の友人に紹介され、練習を見学に行った。「その場で歓迎の歌を歌ってくれてね。もう参加するしかないよね」と満面の笑みで出会いを振り返る。演歌も好きだったが最近は叙情曲がお気に入り。「必ず周りに合わせて、ハーモニーが大切。易しそうで奥が深い」。大磯のほかに東京と平塚の合唱団に参加するなど、魅力にどっぷりはまっている。
○…「もう歳だから」と謙遜するが、合唱団のほかに地引網にも参加する。生まれは東京深川で東京大空襲を経験。「あんな戦争は二度と起こしてはいけない」と、平和を守る活動や高齢者の暮らしを支える活動などにも参加しており、手帳には毎日の予定がびっしりと書き込まれている。「女房にも『いろいろやりすぎ』って言われてる」と言うが「体がうごく今のうちにやりたいことをやらなきゃね」とあくまで精力的だ。
○…以前は滄浪閣で開催していた同祭だが、閉館となって久しい今は大磯町内20カ所を会場に分散して開催している。「気軽に使える町民ホールがあれば、参加団体が一堂に集って、もっと多くの人が見に来てくれる。いつかそんな会場ができることを期待しています」。エネルギッシュな瞳は、常に前を見据えている。
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