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町の人材活用講座で講師を務める紙の専門家 植地 勢作さん 大磯町在住 74歳

公開:2014年10月24日

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”紙”を正しく後世に

 ○…全2回講座を「例えば普通紙はフツーではない紙であることや、不織布は布か紙か、古くに存在した粘土板やパピルス、木簡についてなど、実はよく知られていない紙のあれこれをお話しします」と愉快そうに紹介する。ワラ半紙とザラ半紙の違いなど、話す言葉はわかりやすくとも内容は奥深い。講座への興味をそそられる。

 ○…慶応義塾大学卒業後、日本パルプに入社(1979年王子製紙と合併)。生産管理などに従事したのち、新製品開発部署で企業と共同でカラー用特殊紙やインクジェット紙などを生み出した。また副室長として『王子製紙社史』を編纂した。62歳から8年間紙の博物館(東京都)に勤務し、来場者への説明や館内機関紙『百万塔』編集長などを担当。この頃、紙の専門家としてNHKほかテレビにも出演した。2007年に放送大学大学院で学位取得、3年前に文部科学省から学芸員認定を受けた。

 ○…「学ぶほどいかに物事を知らないか思い知る」という。自身の論文も正しかったのか、情報が入るたびに調べなおす。「もちろん足を使うことも大事」と国内外に取材旅行へ。アフリカに紙の材料となった草があると聞けばモロッコのツアーに参加し、現地の人が知らないという中で情報を拾い集め在り処を突き止めた。「本を鵜呑みにできなくなった。歴史書などを読んでもつじつまが合わないところが見える。天狗にならず勉強してきてよかった」と笑う。

 ○…三重県出身。徐福紙や花井の紙衣など故郷熊野の紙についてもまとめた。「定年後は社宅がない」と52歳で大磯町民に。「たまたま不動産屋が遅刻して、駅前で景色や人を見ているうちに『いい町だな』と決めた」と横の夫人とほほ笑み合う。町の生涯学習人材登録者に登録したのは「”紙”というものを子どもたちに正しく伝えていきたいから」。紙を軸に、一生涯学び続ける。

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