鷺の舞保存会の会長を務める 小島 勇さん 大磯町国府本郷在住 65歳
伝統の舞 後世に伝える
○…1300年以上の歴史を誇る相模国府祭(こうのまち)で奉演される鷺の舞。このほど鷺の舞保存会の会長に就いた。会員約20人。中学生と高校生、20代もいるが、後継者不足が悩みだという。「私と同年齢の会員が多く、我々がいなくなっても継続できる体制を作っていかなければ」。スカウトした会員が一人前に成長しつつあるそうで、9月に六所神社で行われる櫛魂(くし)祭で「デビューさせる予定」と話す。
○…全国的にも珍しい鷺の舞は、東日本では大磯町と中井町、福島県の3カ所でしか行われていないという。「今年は特に人が多かった。嬉しいことです」と語る5月5日の国府祭は、ガイドツアーが組まれるほど大勢の見物人を集める。しかし、戦後しばらく、鷺の舞が途絶えた時期があった。20年ほど前。祭の活性化を図ろうと、六所神社の氏子が中心になり六所会を結成した。これを機に鷺の舞保存会も誕生。地域の仲間から誘いを受け入会した。会員たちは中井町の担い手から笛と太鼓と舞を習い、1年間稽古を積んで大磯町の鷺の舞を復活させた。自身は舞と太鼓を担当。「笛を試したら、音が出なかったから」と苦笑い。六所会副会長を務めた。
○…鷺の舞では鷺と龍、獅子の三つの舞を披露する。それぞれ天下泰平、五穀豊穣、災厄消除を祈る。太鼓と笛の優雅な調べにのせ、白い装束の舞い手が厳粛に舞う。「上半身だけの動きで大きく見せる。ゆっくりだけれど、腕の動きは止めないのがコツ」
○…大磯の地に根付いて六代目。大工だった父の背中を見て育ち、一級建築士になった。「障子の張り替えが大変」というが、日本家屋の良さを採り入れた自宅は理想の実現だ。30代前半まで青年会に集い、さまざまな行事に携わりながら地域のつながりを築いてきた。重厚かつ壮麗な中丸地区自慢の大神輿を率い、「地域の結束が強いのは、これ(神輿)があるからかもしれませんね」
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