ソシオエステティシャン、看護師として心を癒すソシオエステティックの普及に取り組む 高塚 静恵さん 二宮町一色在住 38歳
心寄り添い 希望導くケア
○…医療や福祉の知識に基づき、病と向き合う人や要介護の高齢者、社会的な苦境にある人などへ顔や手足のマッサージ、メイク、ネイルケアを行うソシオエステティック。施術を通じて、心の安らぎと笑顔、その人らしさを取り戻していくサポートをする。発祥の地フランスでは、国家資格者が病院や福祉・矯正施設などで活躍しているという。「介護の現場や在宅ケアにおいて、生活の質の向上を目指すソシオエステティックの必要性はますます高まっていくと思います」。高齢者施設などで施術するほか、各地で講演を行い、普及に邁進する。4月には大磯町で講座を開く予定だ。
○…富山県生まれ。地元の大学で看護学を学び、神奈川県で看護師としてスタートを切った。大学病院の耳鼻咽喉科病棟に勤務。頭頸部腫瘍や手術の傷、がん治療の副作用などから「鏡を見たくない」と苦しむ患者に接した。転機をもたらしたのは、テレビ番組で知ったフランスのソシオエステティシャンの存在だった。「これだ」と思い立ち、安定した職を休止して行動に出た。2005年に渡仏。まずは言葉を習い、エステサロンで働きながら2年かけて国家資格を取得した。
○…帰国後、中井町のホスピス・ピースハウス病院で緩和ケアに携わる。男性患者とその妻にマッサージをすると「『お母さんをきれいにしてもらえた』と患者さん自身もご家族も安堵した様子でした」。最期まで生き抜こうという希望へ導く力がソシオエステティックにはある、と信じた。
○…フランスの入院患者らが施術を受けるのは無料。施術者は報酬を得ており、寄付金や企業の支援で賄っている。「女性がいつまでも美しくあることを社会全体で支える。さすが美の大国です」。一方、日本では職業として成立させることはもちろん、活動内容や意義について認知してもらうことが始まったばかり。心を輝かせるソシオエステティックの可能性を探る。
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