八坂神社祭礼を行った二宮町の元町地区代表者会代表を務める 帰山 訓(さとし)さん 二宮町富士見が丘在住 69歳
地域の伝統つなぐ
○…新型コロナウイルスの終息を祈願して、二宮町の元町地区にある八坂神社の祭礼を7月18日に斎行した。例年は2日間で行うところを1日に短縮。神輿渡御は担いで練り歩くのはやめ、トラックに載せて巡行した。10カ所に設けていた御旅所は5カ所にしたが、各所で神事を執り行い、地域の人には距離を取って神様を拝んでもらった。「コロナ禍の状況で、お祭りのやり方の一つのサンプルになると思う。ここまで準備していただいた関係者の皆さんに感謝です」と話す。
○…4月初めに神輿渡御の中止が決定。感染拡大が落ち着き、元町神輿保存会が「神輿をトラックに載せて町内を回るのはどうか」と提案した。疫病を払う神を祭る八坂神社の祭礼。その原点といえるのが、祈りと感謝を捧げることだ。「伝統ある元町の夏祭り。過去に中止や簡素化はありませんでした」。関係者が協議を重ね、知恵を絞り、工夫を凝らして「新しい様式」を祭礼に取り入れた。「地区の行事が何もなくなってしまうのは寂しい。これが続くと地域のコミュニケーションが薄れてしまう」と訴える。
○…自動車メーカーで品質管理や海外の工場での指導などに携わった。仕事に打ち込んだサラリーマン時代、地域のことは「女房に任せっきり」。定年退職後、本格的に地域デビュー。町内会の役員や宮世話人を務めた。「地域に知り合いが増えた」と柔和な笑顔を見せる。35歳の時、その年齢の住民が神輿を担ぐ習わしで神輿を初めて担いだ。「アドレナリンが出る、あの高揚感は癖になります」
○…新潟生まれ。結婚を機に住んだ二宮町は「のんびりしていいところ。ご縁ができた」。ドライブや定年前に勉強を始めたカメラが趣味。
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