写真集の出版を記念して原画写真展を開く 市川 節子さん 堀西在住 63歳
子どもに伝えたい 命の営み
○…全国規模のコンテストでも多数入賞しているがプロのカメラマンではない。何事にも全力投球、情熱的な姿勢と絶やさない明るい笑顔が人を引き付ける。
○…故郷は群馬県。小学校教諭を志して上京し、結婚を機に秦野へ移り住んだ。幼い頃から自然がごく身近にあったためか「当時生徒に、理科の時の先生はいつもより楽しそうって言われてたのよ」と笑う。子育てで教職を引退後も、地域の友人らと作った自然観察グループの活動をきっかけに改めて大学で自然・植物学を学びなおした努力家。カメラも虫や植物の記録をきっかけに手に取った。現在は市内小学校の臨時教員や児童ホーム指導員を務め「節子先生」の愛称であちこちで親しまれている。どの活動でも「命の営みの素晴らしさを感じること」がモットーなのだという。
○…友人に誘われ初めてアフリカを訪れたのは3年前。見るもの全てが珍しく、息つく間もないほどに撮影を続けた中で、チーターの3兄弟と母親一家に出会った。日本に帰っても一家のことが忘れられず、今度は1人、プロのカメラマンが主催する撮影旅行に参加した。広大なアフリカの大地を移動して暮らすチーターの撮影は一筋縄ではいかない。半日以上張り込んだ末、念願の捕食の撮影では「むき出しの命にぶつかったっていうのかな、涙と鼻水でぐちゃぐちゃの顔で撮影したわ」と笑顔で振り返る。子どもたちにもこの命の営みを伝えたいと写真集として出版することを決めた。
○…音楽好きの夫、犬2匹と暮らす。3人の子供たちはそれぞれ市内で独立し家族を持ち、毎週末になると孫も含め全員で家に集まり食事をとるのが恒例だ。「まだ人生でやり残していることが1つだけあるの」とこっそり教えてくれた夢は樹木医になること。「植物も命の営み、巡りに欠かせないもの。木の声も聞けたらいいなって」。キラキラとした瞳は珍しい生き物を見付けた子供のようだ。
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