結成35周年を迎える秦野邦楽会の会長を務める 星(ほし)秦山(しんざん)さん(本名 竹田 民雄さん) 菩提在住 68歳
自然体で注ぐ情熱
○…尺八奏者の中では「尺八の街」とも言われる秦野。この地で45年間、尺八を教え続け、多くの門下生を輩出してきた。師範、会長として、日本の邦楽を支えている。11月4日には秦野市文化会館で秦野邦楽会の演奏会を開く。
○…実家は山形の農家。3人の兄と1人の姉の下に産まれ、わんぱくな少年だった。父親が民謡尺八をやっていたため、家にはいつも尺八があった。小学生の頃、大好きだった担任の女の先生に頼まれ、全ての教室を回り、尺八の演奏をしたこともあった。ただ、授業は音楽よりも算数のグラフが好きだったという。
○…高校卒業後、矢崎化工に就職し、東京で働いた。神奈川営業所ができると同時に、秦野に配属。秦野が尺八の街だと教えてくれた知人に「秦野に尺八を広めて欲しい」と頼まれ、できたばかりの北公民館で指導を始めた。職場で出会った奥さんと結婚し、2人の子どもができた。ミニ四駆が流行った頃、40代でプラモデルの卸売り業で独立。その間も尺八を教え続けた。52歳の時に重度の胃がんと診断され、東海大学病院で手術を受けた。痛みと戦いつつも、病院のベッドの上では大好きな尺八を吹いていた。術後も2年は闘病生活だったが、「尺八という希望があるから乗り切れた」と当時を振り返る。
○…今回の演奏会では本町中学校邦楽部との合同演奏がある。そこに抱くのは「若い人にも、秦野の尺八を知ってほしい」という強い思いだ。演奏と共に、秦野の尺八の歴史や深さを伝えようと、現在も忙しい毎日を送っている。そんな中、たまに会う孫の元気な様子に、わんぱく少年だったころの自分の姿を見て、笑顔がこぼれる。
○…尺八は自然に息を入れないと音が出ないそうだ。「好きなことでも力むと壁に当たったりして続かない。自然体だから続けられる」―――師範としての言葉には、人生の教訓が詰まっていた。
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