復活から40年を迎えた下大槻百八炬火保存会会長を務める 原孝通(たかみち)さん 下大槻在住 66歳
「みんなでやりてぇんだ」
○…先祖供養、米の豊作祈願、無病息災を願う秦野市下大槻に伝わる盆の伝統行事「下大槻百八炬火(ひゃくはったい)」。戦中、戦後は途絶えたが、復活してから40年が経過した。行事を支える自治会、子ども会、青年会、なでしこ会と協力し、保存会会長として方々に根回しをする。「各団体を引っ張っていくのは大変」とはいいながらも、浮かぶ笑みの中にやりがいが滲む。
○…行事を復活させたのが自身の父。それもあり、20代から40年間ずっと携わってきた。会長の座について8年、「暑い中でやることだからよ、みんなの協力が無いとな」と自分の仕事をこなしつつも、任せるところは信を置いて任す。神輿行列の先頭から最後尾まで全て休んでもらうと終了定刻をオーバーし、近隣に迷惑をかけてしまうかもしれないというのが悩みの種。日没とはいえ、まだ蒸す畦道を約2Km練り歩く神輿の5つの休憩所に顔を出し、労う。「万灯は勢い、なでしこは高い声で行事に元気」を与えてくれる。
○…市職員を引退した今、楽しみと言えば釣り。川ではアユ。海ではイナダ、カンパチ、アジにサバ。つい先日までは釣り仲間と毎年恒例のアユ釣りツアー。10数年前、所用で秋田を訪れた際に見たアユに一目惚れ。秋田、青森で釣った24・5cmの立派なアユを「これに憧れちまったんだよなぁ」とまるで少年のように瞳を輝かせて見せる。釣ったアユは冷凍し、歳末に煮る。「正月用でさ。食べきれないから近所に配っちまうんだ」と照れ笑い。味の評判は上々だとか。
○…もうすぐ10年の会長職。「そろそろ潮時かな」と言うものの、「誰でも出来るもんじゃない。ちゃんとわかってないと」と後継者に目星を付ける。とは言え秘めたる熱い思いもある。金目川を挟んだ北側の下大槻集落も巻き込み、「百八炬火を下大槻全体で、みんなで一緒にやりてぇんだ。本当はよ」といつかくるその日を夢に見る。
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田原ふるさと公園野菜直売研究所0463-84-1281/そば処東雲0463-84-1282 https://www.kankou-hadano.org/pointinformation/pointinformationguide/point_tawarafurusatokouen.html |
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