秦野歴史おこしの会理事長を務める 小泉 孝さん 羽根在住 70歳
仏心を以て起こし、興す
○…会の発足から21年。4代目会長にはことさら仏像と仏典に明るい郷土史研究家が就任した。奈良県の東大寺盧遮那仏像造像時の聖武天皇の詔の一文を拝借し、「『一枝(ひとえだ)の草、一把(ひとつかみ)の土』の思いで協力を仰ぎ、文化財保護という会の本旨を全うしたい」と意気込む。
○…入会は1998年。PTAの繫がりで懇意になった宝蓮寺の先代住職に誘われた。中学生の頃から仏像、仏典など仏教美術に魅せられ、修学旅行の京土産は仏像の写真集や絵葉書。若かりし日、「坊さんになろうか」と考えたこともあったが書店に就職し、不動産業も営んだ。仕事の合間を縫っては仏像を見に行き、書斎にごまんとある仏典や書籍を読み耽けた。しかし「50年勉強してきたけど最近ようやく少しわかってきた。でもまだまだ」と際限がない仏の世界への探求欲は尽きない。年に数回は古都へ出かけていたが、最近は自治会にも尽力し、楽しみの時間はおあずけだ。
○…嗜みは短歌や俳句。十代後半には新聞に投稿し評価、掲載された記事は、数多の作品とともにスクラップブックに収められ、今でも年賀状には毎年自作の句や歌を添える。自宅裏の先祖代々伝わる畑では、野菜を育て、ふた月に1度は息子夫婦が手伝いにきて一緒に土に触れ、汗を流す。子に諭したのは「どんな仕事でも全力を尽くしてやれ」という親父の威厳。ただ、息子の話になれば饒舌になり自慢の息子であると表情が教えてくれる。
○…秦野市内でも「大日堂と東光寺は傑出した文化財。全国にも誇れる」と語気を強める。双方古い歴史を有する分、補修無しでは後世に残せない。一部の人だけでなく、あまねく人々にほんの少しずつでも協力してもらい、皆で事を成したいという詔「人が一枝の草、一把の土を以て像を助け造らんこと」を胸に約100人の会員をまとめる。文化財の保護に努め、研修会を通じて親睦を図り、会の維持と隆盛を誓った。
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田原ふるさと公園野菜直売研究所0463-84-1281/そば処東雲0463-84-1282 https://www.kankou-hadano.org/pointinformation/pointinformationguide/point_tawarafurusatokouen.html |
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