里地・里山の環境保全活動に取り組むNPO法人「自然塾丹沢ドン会」の理事長を務める 片桐 務さん 東田原在住 66歳
未来へ向け自然と共生を
○…「ここに本当に田んぼがあったのか?全然分からない状態でした」と名古木の棚田の荒廃ぶりを振り返る。2002年のことだ。それから会員皆で、木を伐り藪を払って、あぜを作るなどして開墾。流れる小川に堰を設け、やっと棚田の様子が現れてきた。「実はかつてはこんな素晴らしい景色が広がっていたのか」と感激。以来この地でコメ作りを続けている。しかし今年はなんと丹精込めた稲がイノシシの食害で全滅。「それも自然とは思うけれど、本当に残念」と表情が曇る。「来年以降はドン会らしいやり方で食害を防いでいきたい」と前を向く。
〇…ドン会の設立は1992年。丹沢の自然の中でも特に人との関わりが深い里地・里山の伝統的な農村風景を再生・保存し、そこに生息する生き物たちなどと共存する地域づくりを進めようと努めてきた。今年設立25周年を記念して10月15日(土)には棚田で「生物多様性緑陰フォーラムin名古木」を開催する。
〇…出版社「有限会社夢工房」を経営。元々都内の出版社に勤めていたが仕事で秦野市を訪れることがあり、自然の豊かさに惹かれ現在の地に居を構えた。一方で都内への通勤は遠く、1988年に一念発起して独立。社名は、地域の方たちの夢や思いを本という形にすることで、地域に恩返ししたいと自ら考えた。「独立に反対していた妻も経理や事務から校正作業まで手伝ってくれ、本当に助かった」と、二人三脚で歩んできた道のりを振り返る。
〇…現在は夫人と2人暮らし。2人の娘はそれぞれ結婚し2人の孫にも恵まれた。仕事を持つ娘の代わりに孫と遊ぶこともあり「子育て支援ですよ」と笑顔をみせる。そんな孫の世代まで自然との共生の大切さを伝えたいと願う。現在の夢は、そうした想いを引き継いでいくための拠点づくり。「宿泊研修や夏休みの体験学習などに活用できる施設が実現できれば」と、熱い口調で語りかけた。
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田原ふるさと公園野菜直売研究所0463-84-1281/そば処東雲0463-84-1282 https://www.kankou-hadano.org/pointinformation/pointinformationguide/point_tawarafurusatokouen.html |
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