南西諸島や沖縄などで繁殖・生育する野鳥「リュウキュウサンショウクイ」の営巣が、秦野市内で初めて確認された。営巣は神奈川県内でも初めての確認だという。
観察者は、はだの野鳥の会会長の八木茂さん。4月9日に大倉地区で約15mの杉の木のてっぺん付近の枝に巣を発見し、カメラで撮影した。
巣はお椀型でウメノキゴケを外側に貼り付けてあり、「体の割に小さく、頭と尾は巣からはみ出していた」と八木さんは話す。
リュウキュウサンショウクイは、1970年代に南九州に生息していたが、2010年には北部九州、四国、紀伊半島で確認されるなど、温暖化による環境変化で生息域が広がっている。2015年3月には秦野市内でも初めて八木さんが確認し、以降毎年見られるようになっていた。
リュウキュウサンショウクイに姿かたちがよく似ている夏鳥に「サンショウクイ」がいる。市内で確認した当初、「サンショウクイだと思っていたが、研究者の方からリュウキュウサンショウクイだと回答がありました」と八木さん。胸の色や鳴き方で見分けられるという。
営巣を確認したリュウキュウサンショウクイは4月23日には抱卵に入り、メスが巣の中に座り顔もほとんど見えない状態に。オスが来る時に顔を出す程度で、尾以外は巣に収まっている。
八木さんは「常にオスメス2羽で行動しています。繁殖に成功することを期待しています」と話している。※連載「秦野の野鳥」参照
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