丹沢で歩荷として山小屋に荷揚げを行う活動している 板倉 久士さん YAMA CAFE(戸川)勤務 45歳
丹沢に魅せられた山男
○…山小屋などに荷揚げを行う「歩荷(ぼっか)」。秦野戸川公園のYAMA CAFEで週5日働きながら、休日の月・木に塔ノ岳山頂の尊仏山荘へ物資を届ける。装備含め50kg以上の荷を背負い、片道4時間半かけ登頂する。「きつくて毎回くじけそうになるけど、やっぱり塔ノ岳は何度登っても飽きない」。山小屋の主人の「ありがとう」の一言が、次のモチベーションに繋がるという。
○…きっかけは、大山で出会った歩荷の北樋口康さんへの憧れ。登山が趣味で訓練がてらテント泊装備を背負い登山することが多く、「どうせ荷物を背負うなら山小屋の役に立ちたい」という思いでホームグラウンドとしていた丹沢の尊仏山荘に自らを売り込み、快諾を得る。「登っていると声援をもえらえるし、山に携わっていると感じられるのが面白い」と魅力を語る。
○…東京で生まれるが、喘息持ちだったため一家で茅ヶ崎に。6歳からボーイスカウトに所属し、昔から山やキャンプが好きだった。車やバイクも好きで専門卒業後、トラック整備士やBMWの整備のアドバイザーなど車業界に携わってきたが、YAMA CAFE店主の山本哲史さんに惚れ込み一念発起。山に携わる仕事に転職した。
○…「歩荷がいなければ山小屋は成り立たない。それをもっと知って欲しいし、やりたいという人が増えて欲しい」。全ての山小屋にコンスタントに活動できる歩荷がいるわけではなく、報酬があっても交通費など経費分程度で、ほぼボランティアの状態。「好きじゃなきゃ続かないのが実情。もっと職業として確立できれば」と力を込める。「丹沢は登るほど深堀りできる場所。仕事でも歩荷でも、もっと丹沢と関わり知っていきたい」と語った。
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