野生生物保護功労者表彰を受けた「野生動物救護の会」の理事長 渡辺 優子さん 戸川在住 53歳
人と野生動物 共生目指して
○…「正直今も受賞の実感はない」ときっぱり。でも「やっぱり、こういった形で誰かに認められることは嬉しいね」と照れ笑い。動物保護団体の代表は獣医が多い中、自身は”普通の主婦”。「不安は抜けないが、人と動物、周りの支えがあるから」と迷いはない。
〇…熊本生まれ海老名育ち。秦野へは結婚を機に移り住んだ。子どもが成長し、時間に余裕ができたことから、県自然環境保全センターでボランティアを始めたのが15年前。より活発に活動するため平成18年に同会を結成、周りの勧めで理事長に就任した。活動の中で特に力を入れているのは野鳥の保護。きっかけは13年前、保護されたチョウゲンボウ(ハヤブサ科)の「チョウすけ」の短期里親になったこと。「カワイイ!と思って名乗り出たけど、猛禽類は狩りを教えないと…」。鷹匠に指導を受け試行錯誤しながら、無事野生に帰すことができた。以降今まで約40羽の野鳥を野生に帰した。またコミミズクやハヤブサなど、事情で野生に戻れない野鳥は、現在も長期里親として保護している。
〇…趣味は読書と乗馬。読書は娘との共通の趣味。図書館で「新書を片っ端から予約して借りる」のだという。乗馬は30歳頃から始め、現在も週に1回のペースで乗る。リビングの至る所に飾られている動物を模した置物を見ながら「やっぱり動物好きなのよね」と笑う。夫と娘2人、母親と5人暮らし。家族一同で野生動物の保護に取り組んでいる。保護している野鳥たちの小屋は夫の手作り。コミミズクに「ハリ」「ロン」と名付けたのは娘たちだ。
○…現在の課題を「入っても数年でやめてしまう人が多くて。ボランティアを定着させたい」と話す。シカやイノシシなど、近年秦野では野生動物がまちに下りてくる頻度が増えているという。「野生動物との関わりは距離感が大切。飼うことと保護することは違う。より良い共生を目指したい」と笑顔で決意を示した。
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