1月25日に南米大陸最高峰・アコンカグアの単独登山に成功した 鳥海 久元さん 名古木在住 62歳
徹底的に人生を楽しむ
○…標高6962m。「岩の番人」の異名を持つアコンカグアを「標高の割には登りやすかったよ」と冗談めかすが「計画段階から全て1人だし、62歳で登れたことは自信になる。下山後は3月上旬まで南米の一人旅をした」と凍傷が残る指を見せながら笑顔で振り返る。
○…名古木出身。中学の頃、先輩に丹沢へ連れられ登山に目覚めた。吉田島農林高校では山岳部へ。「同じ釜の飯を食った仲間」が集まる同部OB会では毎年、穂高や剣岳などに登り続けた。「同じ山でも季節で顔が違う。登るたびに発見がある」と魅力を説明する。富士フイルムに勤め、定年まで研究職ひとすじ。「休暇のたびに世界を周った。同僚と富士山に毎年登ったし、若者に囲まれた楽しい仕事だった」と話す。
○…妻と長女の3人暮らし。独立した長男も含めた4人はキャンピングカーでアラスカを旅したほか、オーストラリアやインドを列車で旅行するなど仲が良い。「今年の夏は奥さんの希望で北海道」と家族サービスも忘れない。現在は農業を営む。「何年もかけ理想の樹形を育てるのが面白くて。ミカンや柿など、じばさんずに出荷している」と話す。16歳で免許を取ったバイクも筋金入り。愛車ハーレーを乗りまわし「日本の海岸線はほぼ走った。この前も神奈川から下関まで走り、そのままフェリーに乗り韓国を一周したよ」と元気そのものだ。
○…「人生を徹底的に楽しむ」と定年退職時に立てた目標は「年70日は家を空け好きなことをする」、「過酷な旅行から先に実施」の2点。アフリカ最高峰のキリマンジャロはすでに登頂。来年5月には北米最高峰のマッキンリー登頂を計画中だ。「宣言しておけば、行かないわけにはいかないだろ」と無邪気に笑う。「あとはウラジオストクからユーラシア大陸を鉄道で横断するんだ。ポルトガルからは船に乗り、アイルランド、そしてイギリスへ…」。駆け抜ける日々は続きそうだ。
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