鶴巻若衆囃子会の会長を務める 芦川 昇さん 鶴巻南在住 60歳
楽しく、一生懸命に
○…「鶴巻の太鼓が途絶えてしまうかもしれない、という危機感から立ち上げました」と話す。1998年の創立当初から会長として関わり、地域の芸能を伝承するために積極的な活動を行ってきた。現在は15人の会員をまとめる。
○…もともと父親が太鼓をやっており、子ども心に「いいな」と思っていたという。積極的に関わるようになったのは高校生から。「昔はたばこ祭で太鼓のコンテストなども行われていました」と当時を振り返る。そこで優勝を経験したこともあり、「もっと日本の古典的な文化に関わってみたい」とのめり込んでいった。鶴巻第1太鼓保存会にも入会すると共に、独学でも太鼓を学んだ。
○…好きな言葉は楽しいという意味の「楽」と「一生懸命」。それをモットーに、自分たちも見ている人にも楽しんでもらおうと、演目では太鼓を聞かせるだけでなく、観客と一緒に遊ぶ時間も設けている。ひょっとこやおかめなどの演技やお囃子、獅子舞を取り入れたのも「楽しんでほしい」という想いからだ。「おかげさまで、今では結婚式にも呼ばれるようになりました」。太鼓のことについて語らせれば、言葉は尽きない。自分を指して「太鼓バカ」と。「こんな風にボランティアができるのも、妻や家族のおかげ。感謝しています」と話す。
○…鶴巻で生まれ育つ。「地元は離れられません」と郷土愛も強い。中学は野球、高校は剣道とスポーツ少年だったが、ものづくりも好きで、現在は鉄の精密加工などを行う福田製作所で職人として働いている。休みの日は会の活動をするほか、趣味の家庭菜園に精を出す。妻と娘夫婦、孫、犬と猫まで含めての大所帯。小1の孫は最近太鼓に興味を持ち始め、獅子舞の動きを真似することもあるという。「大人には考えもしない動きをするんです。いやぁ、なかなかのものです」。『おじいちゃん』の顔でくしゃりと笑った。
|
<PR>