「金物屋の秀(ひで)」の名で総合格闘技プロ修斗(しゅうと)のリングに立つ 岡田秀人(ひでと)さん 沼代新町在住 28歳
柔和な笑顔に隠れた強さ
○…プロの世界へ踏み込むまでの道のりは、長かった。アマチュアで試合を積んだ5年間、「いつも大事なところで勝てない」と自分を責めた。スパークリングや打ち込み練習で得意の寝技や関節技を磨き、2010年の全日本アマチュア修斗選手権で見事準優勝。プロ昇格を果たした。10月26日には格上選手との対戦が控えている。
○…「テレビの中の武藤敬司選手が輝いて見えた」。わんぱくだった少年時代、プロレスラーに憧れて、友達や兄と技を掛け合って遊んだ。「自分も格闘技をやってみたい」という思いが膨らみ、西中学校・南が丘高校では柔道部で汗を流す。柔道を通して痛みを知り、相手の気持ちを考えることを学んだ。
○…高校卒業後、意を決し修斗のジムへ入門。ジムに通いながらも「何か仕事をしなければ」と、父の金物店「オカダ商会」を手伝い始めた。当初、店を継ぐ気はなかったが、来店者と会話し、機械の修理をするうち、家業の楽しさや、やりがいに気付いた。「人づてに、父が『息子はよくやってくれている』と話していると聞いたときは嬉しかった」とはにかむ。今では兄も加わり、家族で店を支えている。「子どもの頃から親父が懸命に働く姿を見てきた。難しいとは思うけど、修斗を続けながら、店も守っていきたい」。
○…絶叫マシーンが好きで、気分転換に、友人と富士急ハイランドへ行く。「妻とはディズニーランドに行きます。夢の世界って感じで、今ではショーとかも好きになってきました」。そう言いながら微笑む表情はとても優しげだ。
○…リングネーム「金物屋の秀」は、テレビドラマ「必殺仕事人」の「飾り職人の秀」にちなみ、ジムの恩師が付けてくれた。穏やかな面立ちが試合では一変。「試合は倒すか倒されるか」と相手へ果敢に挑む。「夢は、実家でジムを開くこと」。名前の通り家業を背負い、リングへ上がる。
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