風景や山岳などを被写体とするネイチャーカメラマン 川口 敏彦さん 南矢名在住 72歳
感動の一瞬を撮り続ける
○…レンズ越しに広がるその世界観、自然が織り成す一瞬の芸術を収める。被写体として心惹かれる朝靄や朝焼け、そこにある空気感をも取り込んだ一枚は「感動を伝えることができる」ときっぱり。初心者やベテラン問わず、「自然の雄大さが姿を現すその瞬間に、その場に立っていること」が大切なのだという。常に気象条件を気にするが、それでも感動の瞬間に出合えるのは10回に1度。「体力と気力と根気との勝負ですね」と苦笑い。
○…18年前、友人に誘われカメラを始め、その奥深さに直ぐにのめり込んだ。写真教室で腕を磨き、現在は写真作家・前川彰一氏が主宰する写真クラブ『写団薬師』秦野教室の講師を務める。月刊誌「フォトコン」の昨年度全国年間3位や国内有数のフォトコンテスト「富士フイルムフォトコンテスト」で今年度を含む連続入賞を果たすなど、その実力は折り紙付き。これまで都内を中心に写真展を行っていたが、先月初めて地元・秦野で開催。「プリントまで全てにこだわった作品たち。感動したと声を掛けてくれる人もいて嬉しかった」と目じりを下げた。
○…秦野で生まれ育つ。インテリアに興味があり、高校卒業後は家業の農業を手伝いながら家具店でのアルバイトに精を出した。しかし、インテリアへの想いが募り、専門学校へ。24歳で起業すると同時に結婚し、1男1女に恵まれた。妻と長男を病気で亡くしたが、今は娘夫婦が近くに住む。孫の運動会等の写真撮影を頼まれるというが「人物は難しくて」と。愛孫の姿は、レンズ越しよりも自身の目に焼き付ける。
○…年間200〜250日撮影に出かけるが、今年はまだ感動の一瞬に立ち合えていない。「春は霧が出やすいし、梅雨の時期もいい。今から楽しみだよ」。年齢を考慮して遠征することは多少控えていくというが、動けなくなるまで撮り続ける。「感動の瞬間をまだまだ味わいたいので」
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