秦野市合唱連盟第35回合唱祭のラストを飾る合同合唱で指揮者を務める 玉置(たまおき) 清明(きよあき)さん 北矢名在住 66歳
はずむ心に身を任せて
○…江戸時代から秦野市東地区で歌い継がれてきた「麦打ち唄」や市内の盆踊りで流れる「秦野音頭」を雄大な里山風景を彷彿させる合唱組曲に編曲。7月22日に文化会館で行う合唱祭の最後、この2曲を歌う100人の指揮を務める。「美しく流れるようなクラシックコーラスと外国語風のジャズコーラスが交わる新しいスタイルに改編した。楽しんでもらえたら」と瞳を輝かせ期待を語る。
○…東京都出身。絵や工作が好きだった小学生の頃、姉が聴くビートルズに刺激されエレキギターを手にした。中学では友達とバンドを組むも、作曲を始めると浮かぶのは何やら壮大な曲ばかり。「今思えばクラシック音楽に似ていたけど、当時はそれが何か分からなかった」と笑う。
○…高校では合唱部に入部。友人がベートーベンの「第九」と間違えて購入したブルックナーの交響曲第9番ニ短調を聴き運命を感じた。「電気が走り、心が洗われた」。それを機に音楽室でピアノを弾き始めクラシック音楽に没頭、ほぼ独学のまま東京藝術大学音楽学部声楽科に合格した。卒業後、音楽科の教員として採用され秦野へ。2003年、秦野高校に赴任して合唱部顧問となり、秦野市合唱祭に参加し始め、市民の合唱団でも指揮者を務めてきた。
○…現在は自宅で編曲をしながら、小学生の我が子の相手や盲導犬協会から譲り受けた愛犬の世話をする毎日。仕事部屋にはグランドピアノや様々な楽器が並び、壁には細密なタッチで描いた大きな樹の鉛筆画が飾られている。「樹木を見上げるのが好きで描いてみたんだよね」。オーケストラの練習で訪れた神奈川大学で見た山桃の樹を描いた作品は秦野市展で大賞に輝いたことも。溢れるバイタリティーが創作の源かもしれない。
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