丹沢アートフェスティヴァルのスタッフとして支えた 多田 敏子さん 河原町在住 50歳
アートは生活の中にある
○…毎年5月に開催されている「丹沢アートフェスティヴァル」。スタッフの一人として協力し今年のポスターデザインなどを手掛けた。コロナ禍が続く中での開催は予定が変更になることも予想されたため、今年は紙のパンフレットの印刷を中止し、初めてウェブパンフとして製作した。
○…河原町の命徳寺で生まれる。デザイン関係の仕事をしていた母の影響か「鉛筆と紙さえ渡しておけばおとなしい子だったと母から言われます」。子どもの頃から絵を描いたりするのが好きだった。175cmの長身。「よく何かスポーツやっているの?と聞かれますが、運動は得意じゃなくて…。小・中・高とずっと美術部でした」と恥ずかしそうに笑う。
○…武蔵野美術大学を卒業後、ニューヨークに留学。アメリカの大学に編入し、美術を学んだ。そこでの日々は驚きの連続。日本では技術が重要視されたが、アメリカで大切にされたのは「何を表現したいのか」という事。「好きなように表現していいんだとあらためて知ったんです」と振り返る。そこから感じたのは「アートは生活の中にある」という感覚。それを具体的に伝える方法はないか、と模索した。
○…帰国後、人のためにできることをしたいという想いが募り、ホームヘルパー2級の資格を取得し、家事や入浴介助など介護現場で働いた。そこで気付いたのは「人は一人では生きていけない」という事。誰かができないことは他の誰かが補う。そう思ったときに、美術を生かす道が拓けた。臨床美術士の資格を取得し、現在老人施設などを始め各地でワークショップを行うなど活動を展開している。「美術を介したコミュニケーションが魅力です」と生き生きとした笑顔で楽しそうに話した。
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