寄稿51 がん対策の前進を 横浜市会議員 斉藤しんじ
二人に一人ががんになるという現在、総合的ながん対策は医療政策の中で最重要の取組みのひとつです。本年3月の予算特別委員会と5月の本会議における一般質問において、がん対策を進めるための具体的提言を行いました。
がん検診率向上の取組み強化を
がんの治療方法として近年、重粒子線や陽子線による治療、また、トモセラピーやサイバーナイフという放射線治療など、正常細胞への影響が少なく、がん細胞を効果的に死滅させることのできる最先端の装置が導入されてきました。そこで重要なことは、がんを早期発見、早期治療できるよう、がん検診率を高めていくことです。一般質問において、名古屋市で導入している、住民基本台帳と連動して、がん検診や予防接種等の受診歴を管理したシステムを活用し、がん検診を個別に働きかけるような仕組みが必要と訴えました。林市長からは、メリットやコスト面など多角的な視点から検討するとの答弁を得ました。
がん予防対策としてピロリ菌検査の導入を
胃がんの95%以上がピロリ菌感染によってもたらされているという報告もあることから、ピロリ菌検査と胃粘膜の萎縮の程度がわかるペプシノゲン検査を組み合わせた方法が有効であると主張し、検査の導入を訴えました。市長からは、国が「死亡率を下げる効果が科学的に検証されている方法」によらなければならないとしていることから、「国の検証状況を見極めて予防対策を講じていく」との答弁がありました。現状のがん検診に置き換わる検査でなく、予防対策のための検診として、これからも導入を主張していきます。
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