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川崎区・幸区版 公開:2014年2月14日 エリアトップへ

青丘社 通訳制度化へ声上げる 在住外国人の貧困解消狙い

公開:2014年2月14日

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通訳ボランティア制度の意義を訴える三浦さん
通訳ボランティア制度の意義を訴える三浦さん

 桜本に拠点を置く社会福祉法人青丘社が、行政機関による通訳ボランティア派遣などの制度創設に声を上げ始めた。外国人であるがゆえの貧困や孤立の連鎖からの脱却につなげていく狙いがある。運営する川崎市ふれあい館では、2月21日から通訳ボランティア養成研修会を開催。在住外国人の多い川崎区から制度創設につなげたいとしている。

 「通訳は、外国人市民の絡まりあった生活課題を一つずつほぐして解決することにつながる入り口」と、三浦知人川崎市ふれあい館館長は通訳ボランティア制度の創設の意義を訴える。

 川崎市における通訳制度は、川崎区が取り組む「通訳・翻訳バンク」制度や川崎市国際交流協会の行政機関への通訳派遣、麻生区役所TV通訳システム、MICかながわの医療通訳、一般通訳などがある。このうち、青丘社は川崎区通訳・翻訳バンク制度の運営を委託されている。一見、充実しているように見えるが「実はそうではない」と三浦館長はいう。例えば、川崎区の通訳・翻訳制度でいえば、川崎区のこども機関への通訳派遣制度であるため、幸区の人は使えず、一般行政手続きには対応できない。青丘社には、行政機関から業務外での通訳協力要請が多数寄せられている現実もある。「ふれあい館に頼めば、何とかしてくれると思われているふしがある。我々も結果的に受けてしまっているのですが」と三浦さん。

「差別解消つながる」

 日本では様々な社会サービスを受ける場合、そのほとんどが申請制だ。その結果、就学援助制度があるにも関わらず、書類を揃えるため何度も指導されるうちに、あきらめてしまったり、引越による国民健康保険の手続きがされてなく、無保険状態であることを気づかなかったといった事例は後を絶たない。役所の窓口担当者からもいくら丁寧に説明しても「果たして通じているのかしら」と、困っている声も聞かれるという。

 「労災の手続きが困難で生活保護に頼らなかったという事例もあります。外国人の生活保護の不正受給が問題となっていますが、その過程において、きちんと伝わるような説明がなされているかは疑問。コミュニケーションの不足が外国人への誤解や差別を招いている」とも三浦さんは指摘する。行政による通訳ボランティア制度の創設は、こうした在住外国人の貧困や孤立からの解消、外国人差別の解消、行政の生活保護費負担の軽減につながるというわけだ。行政主導は、ボランティアのレベルが一定水準に保たれる効果もある。三浦さんは「通訳ボランティア制度は既に神奈川県や横浜市では取組みが始まっています。外国人も住民という当たり前の理念の実現のため、川崎市にはしなやかな対応が求められます」と話す。

ボランティア要請研修講座開催

 川崎区での通訳ボランティア制度創設にむけ、川崎市ふれあい館などは2月21日から通訳ボランティア養成研修会を開催する。

 研修会は2月21日(金)▽2月28日(金)▽3月7日(金)▽3月14日(金)▽3月16日(日)――の5回、川崎市教育会館などで開催。対象は、タガログ語、スペイン語、中国語で人数は各言語10人。時間は10時から正午、最終日は午後1時から4時。最終日には登録面接も行われる。

 研修では、通訳の必要性を外国人市民から直接聞くほか、在留資格、住民登録など、定住外国人に関わる基礎知識や地域生活の課題について学ぶ。通訳業務のロールプレイ、ボランティア活動現場も見学する。

 受講料は無料。希望者は川崎市ふれあい館へ電話、ファクシミリ、メールで。

【電話】044・276・4800【FAX】044・287・2045【URL】fureaikan@seikyu-sha.com
 

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