南武線 誕生秘話を市民劇に 「エポックなかはら」などで公演
3月に開業90周年を迎えたJR南武線の誕生秘話を描いた市民劇「南武線誕生物語〜夢みる男たち〜」が5月に上演される。川崎区、幸区、中原区に縁が深い秋元喜四郎と浅野総一郎の2人に焦点を当てたストーリーを、プロアマあわせ約40人が演じる。
川崎の歴史や人物に焦点を当てた作品を市民の手で劇化し演じる「川崎郷土・市民劇」の6弾。
南武線誕生は、度重なる多摩川の氾濫に苦しんでいた村民600人が堤防を築いてほしいと神奈川県に直訴した1914年の「アミガサ事件」に端を発する。
リーダー格の秋元喜四郎は御幸村村会議員、橘樹郡議員として活躍。堤防工事が始まるのをきっかけに、村民の働き場をつくるため鉄道建設の発起人の一人として奔走。会社発足までこぎつけた。しかし、莫大な費用がかかる上、不況が重なり、頓挫寸前の危機に陥る。そこに救いの手を差し伸べたのが「京浜臨海部の生みの親」浅野総一郎だった。川崎湾岸には浅野が経営するセメント工場があり、原材料の石灰石をこの鉄道を使って運びたい思惑があった。
浅野の取り組みは一方で湾岸の漁場を奪い、セメント工場からは石灰石の粉じんを空中に舞いあげていた。秋元は庶民を救うために先頭に立っていた。
劇では「対峙する2人が鉄道開設のために手を組む苦悩や葛藤が見どころ」と上映実行委員会事務局長の関昭三さんは語る。
劇作家の小川信夫さん作。出演は、公募に応じた市民のほか、プロの井上倫宏さんや多摩区在住の落語家・桂米多朗さんらが出演。
公演は5月13日(土)、14日(日)は多摩市民館、19日(金)、20日(土)、21日(日)はエポックなかはら。時間は午後1時30分から、19日のみ午後6時30分から。前売り自由席2900円、指定席3600円、学生・障害者1000円。問い合わせは、実行委員会(【電話】044・222・8878)。
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4月26日
4月19日