百人一首にオリジナル曲をつけ、独特の世界観を奏でる活動を行う 中根 美枝さん 緑区西橋本在住 49歳
百人一首は”日本人の魂”
○…小倉百人一首にオリジナルのメロディーを付け、ピアノやハープ、アルパ等で弾き語る。奏でられるその音楽は、独特の世界観に包まれ聴衆を魅了する。7年前に小学生だった娘さんが、学校の宿題で出された百人一首を覚えやすいようにと、曲をつけて歌う内に、そのとりこに。「古典の勉強は、独特な文法が苦手で得意ではなかったのですけどね」。今では、東村山で定期的に行う市民コンサートの他、相模原市内でも積極的な活動を行う。「百人一首の世界には、自然や四季、無常を思う心など、今と変わらぬ感情や心のつぶやきがあります。現代人が忘れがちな、愛すべき日本人の魂があるのが魅力です」と笑いながら紹介する。
○…音楽大学卒業後、ピアノ演奏家、作曲家として活動。百人一首の活動を始めてからは、メキシコやフランス、チリといった外国人の前で演奏する機会も増えた。「外国の方には、日本語は難しいらしいのですが、曲をつけると理解しやすいみたいです。日本古来の素晴らしい世界を、世界中の人に知ってもらいたい」
○…旦那さんと大学生の長男と高校生の長女の4人暮らし。長男は俳優の勉強中で、長女はヒップホップのダンスに熱中している。「私の影響か、2人とも何かを表現することに興味があるみたいです。好きなことに全力で取り組んで欲しいですね」と、優しい母親の顔をのぞかせる。
○…7月3日の14時半から、サン・エールさがみはらで「ピアノで歌う百人一首」を開催する。当初は3月に予定していたが、震災の影響で延期になった。それを受けて今回は、百人一首だけでなく、東日本大震災に寄せる『鳥の見た風景』という曲を、初めて披露するという。「この曲は津波で被害を受けた地域の上を飛ぶ、鳥の勢いを私たちの『希望』につなげ曲にしました。人生の無常、優しさに満ちた心などを百人一首の世界と合わせ、演奏しますのでぜひお越し下さい」