4月1日付で津久井消防署の署長に就任 設楽 弘文さん 中央区富士見在住 59歳
地域の”絆”を大切に
○…防災支援課、南消防署警備部長を歴任し、4月から津久井消防署長に着任。市内の他地域の約2・5倍の面積もあり、豊かな自然に恵まれている津久井署管内は、山林火災や山岳救助など地域特有の災害への対処が求められる。「大きな災害になるほどマンパワーが必要。過去、現在、将来にわたって地域の人と財産、文化を郷土愛で守ってこられた消防団との効果的な連携、近隣市町村との協力を基幹として、安心安全な街づくりに貢献していきたい」と抱負を語る。
○…昨年の東日本大震災の際には、相模原市から大船渡市へ派遣された支援隊の隊長を務めた。惨烈な現場、苦境に立たされる人たち。そうした状況下で、物資の集配拠点などで活動を行った。「地域の絆が復旧への大きな力になっていることを感じました」。より正確な情報を入手し、迅速に先手先手と対応を図ることが危機管理のうえで重要ということを学んだ。
○…近々起こると危惧されている首都直下型地震や東海地震。発生した際の、帰宅困難者などの対策が各地で進められている。「もちろん大事なこと」と前置きしたうえであえて言う。「それは生き延びることができてからの話。だからどう生き延びるか。自分の判断で生き抜くことができるように日頃から考えてほしい」と呼びかける。そこで必要なのは、地域での”助け合い”や”絆”だ。「署員全員が地域の声に耳を傾け、コミュニケーションを図っていきたい」と意欲をみせる。
○…署長着任後、多忙な日々を送る。別々に暮らす3人の子ども、孫が帰って来た際に、仲よく遊んだり話している姿を見て癒されているという。「蚊帳の外に置かれて手酌しているときはちょっぴり寂しいですけど」と苦笑い。消防生活37年。定年まで、あと1年。「消防生活の集大成。今までのノウハウを署員に伝え、全力投球していきますよ」。地域の防災活動の要として署を引っ張っていく。