第5回「いのちの授業」大賞で県知事賞を受賞した 小野 王海(たかみ)さん 相模原総合高校1年
「父に誇れる生き方を」
○…子どもたちに「いのちを大切にする心」を育むことを目的に、神奈川県が小・中・高校生らを対象に県内の各校で実施している「いのちの授業」。この授業を受けた児童・生徒から募集した感動作文6026作品の中から、大賞となる県知事賞を受賞した。作品名は『命の授業について』。小学校4年生の時に病気で父親を亡くし、しばらくはショックで落ち込んだ。悲しさを乗り越え、必死に働く母親の姿をみて、「甘えたかった母親が支えなければならない存在」に、「家事を手伝いから分担しなければならないものになった」など、認識が変わったことを作文に記した。「最も身近な人が亡くなって、命のはかなさを知り、同時にどんな時もその一瞬を大切に生きなければと思うようになりました」と当時を振り返る。
○…大沢中出身。中学では県内屈指の強豪部である卓球部で厳しい練習を耐え抜いた。高校進学後は、読書が好きで放課後の大半は図書室で過ごし、大学を目指して毎日3時間程度の勉強を行う努力家だ。コンピューターネットワーク研究部に在籍し「将来必ず役に立つはず」とパソコンなどの幅広い知識を持とうと将来を見据えた勉強も行っている。「将来はまだ決めていませんが、どんな道に進んでも、父親に恥ずかしくないようにしていきたいです」と前を見据える。
○…現在は、小学生の時から続ける週一回のテニススクールに通うのが一番の気分転換になっている。「学習、運動などどんな分野でも色々なことに挑戦していきたい」と、しっかりした口調で話す姿が印象的だ。
○…12月10日には、表彰式が横浜のあーすぷらざで予定され、黒岩県知事ら関係者の前で、作文を朗読する。それに先立ち、先月には全校生徒の前で朗読した。「初めての経験でとても緊張しました。本番はもっと緊張すると思いますが、自分の思いを多くの人に聞いてもらえるようにしたいです」と話した。