オーストラリアのパースで11月6日に行われた「第22回世界マスターズ陸上競技選手権大会」の男子4×100mリレーM60の部で、(株)小田原百貨店(本社・市内栄町)勤務の石田一夫さん(63)が金メダルを獲得した。石田さんたち4人は49秒11で日本記録をマークし、ダブルで喜びを手にした。
35歳以上のマスター(熟練者)が5歳刻みの同年代で競技を行うマスターズ大会。石田さんが出場したM60の部は、60〜64歳の男性6カ国で競われた。
「ハードルで記録樹立」競技人生は続く
全日本マスターズ選手権で2014年に60mで3位と300mハードルで2位、15年に60m3位と200m2位、今年も60mで3位と好成績を収めている石田さん。世界大会の出場メンバーは、全日本の短距離走メダリストから選出され、昨年6月に(公社)日本マスターズ陸上競技連合の承認を経て決定した。
石田さんは11月3日、パースに向けて出発。国内での合同練習は一度もなく、4人揃ってバトンパスを行ったのは、試合の2日前が最初で最後だった。「みなメダリストだけあって距離感を掴むのもスムーズだった」と、不安よりも手応えを感じていたという。
パース入り後、現地スーパーで調達した特大サイズのチーズパンを食べながらレースを待った石田さん。迎えた当日、「先行逃げ切り型」と分析していたドイツに次いで、3走の自分に2位でバトンが渡った時点でも焦りはなかった。代表選出から1年間の苦しい練習や仲間の顔が浮かんでは消え、あっという間に駆け抜けた100m。アンカーが先頭でゴールに飛び込む姿を、バトンパスの地点で見届けた。
メンバー4人でオージービーフを囲み勝利を祝ったその夜を、「周りからの期待が大きかったのでほっとした」と振り返る。「世界マスターズのハードル競技で日本記録樹立とメダルの獲得を目指したい。80歳までは現役かな」と前を見据える。
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