コラム「学校と社会をつなぎ直す」【19】 地域から社会へと学校をつなぎ直す 桐蔭学園理事長 溝上慎一
高校生くらいまでの子どもにとっては「社会」の前に「地域・コミュニティ」がある。生活圏としての地域・コミュニティが中核とならなければ、子どもにとってのリアリティある社会性は育たない。
市が尾駅のそばに「あおばコミュニティ・テラス」がある。コロナ禍の2020年秋にオープンした施設で、地域の子どもの自発的な学びと成長を支援する「NPO法人まちと学校のみらい」の運営する活動拠点である。5年前に青葉区役所、市ケ尾中学校、市ケ尾高校と連携して取り組んだ「市ケ尾ユースプロジェクト」が基礎となっており、現在ほかの学校の中高生や大学生も自由に参加して活動が発展している。桐蔭学園も連携し活動に参加している。「学校はある時期の子どもしか見られないが、地域は学校段階を超えて子どもの成長を見続けることができる」と述べるのは竹原和泉さん(同法人代表理事)である。同じ子どもの成長を見て取る地域と学校の役割分担がうまく語られている。
子どもの地域活動を支えるのは地域の大人である。子どもから地域、農家、役所、会社の仕事や活動を教えてください、と頼まれれば断れない。「こうだよ」と教えているつもりが、いつの間にか子どもから教えられていることもある。子どもを通して、それまで関係を持たなかった他の大人達がつながっていく。子どもが地域発展のメディアともなっている。おもしろい!
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