新しく旭区社会福祉協議の会長に就任した 渡邉 多喜男さん 市沢町在住 77歳
地元がくれた喜び多き人生
○…新会長就任については、引退を表明していた前会長から「次は」と密かに打診されていた。「心の準備はできていたんだけど。大先輩がたくさんいる中でねぇ」と恐縮した。それでも民生委員や老人会主体だった地域の見守り活動を自治会・町内会中心も一緒になって活動する「ご近助ほっこり活動」を推進したいと意欲的だ。
○…終戦直後、地元・市沢に不動産業を営む兼業農家の長男として生まれた。学校を卒業後、金融機関に就職。父の死後、事業の継ぎ手がいなかったため、会社を退職。四半世紀ぶりに地元へ戻った。「開発が進んで物凄く変わっていた」故郷。転勤族だったことや、近くの友人も散り散りになっていた状況に不安を抱えていた時、町の長老が「地元のために町内会の役員をやりなさい」と声をかけてくれた。社協ともそこから繋がっていった。
○…自宅は市沢小学校の目の前。大学生の時は宿直のアルバイトをしたこともあるという。「学校は庭のようなもの。古いことはなんでも知っているよ」と鼻を鳴らす。20年程前から読書ボランティアを続けており「アンパンマンの紙芝居のおじさん」で有名だ。「横浜駅で若い女性に声をかけられたこともあって。覚えていてくれているんだねぇ。驚いたよ」と嬉しそうに目を細めた。
○… 社協の会長の他、障害者施設や放課後キッズクラブの評議員など数多くの役員を務める。それでも「子どもたちは可愛くて仕方がない」と目尻を下げる。今年は市沢小学校の150周年記念式典の運営にも携わる。10月の記念式典に向けさらに忙しくなる。「サラリーマン時代に体を壊すくらいやったから」とお酒とゴルフはすっぱりやめた。今の気分転換は庭いじりと釣りだという。
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