全国の印章職人が技術を競う「第21回全国印章技術大競技会」の表彰式が9月17日に北海道で行われ、中区初音町在住の大賀雅雄さん(50)=人物風土記で紹介=が最高位である厚生労働大臣賞を受賞した。
同大会は2年に一度開催され、参加者は与えられたテーマをもとに、期日内に作品を制作し応募する。大賀さんは19回、20回大会の密刻の部でそれぞれ金賞、銀賞を獲得している。
密刻は図案を考え、文字と絵柄を芸術的に調和させ、均一な線や彫刻の緻密さを徹底的に追求するもので、今年は5人が技術力を競った。
テーマは「壺中天(別世界)」で、大賀さんはテーマが発表された昨年7月から、街中のポスターや看板のデザインを参考にし、浮世絵や有田焼の展示会に行くなどして図案を熟考したという。
仕事の合間を縫って期日直前まで約4週間かけて彫り続けた作品はクジャクが空を舞う様子を表しており、「前回は技術を重視して彫って銀賞だったので、今回はとにかく細かく彫ることを心掛けた」という大賀さん。「緻密に彫り続ける作業は自分との闘いでとにかく苦痛だったが、特別賞がとれてほっとした」と晴れやかに語った。
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