災害時を想定した「ペット同行避難訓練」が1月28日、地域防災拠点の大鳥小学校=中区本牧町1丁目=で行われ、地域住民13人と犬7頭が参加した。同小学校を防災拠点とする13町内会(5233世帯)を対象に昨年9月、住民主導で災害時ペット対策の検討会が組織。今回はその活動の一環で、中区によると、防災拠点レベルで同様の訓練は市内初の試みだという。
大鳥小校庭を会場に、参加者は障害物を置いて悪路を想定した場所を犬とともに歩いたり、ケージ(犬小屋)に入れる訓練などに取り組んだ。
災害時のペット同行避難が検討されるようになったのは1995年の阪神淡路大震災がきっかけ。ペットを連れて避難した住民と他の住民との間でトラブルが発生したことを受け、全国的に災害時のペット対策に注目が集まった。その後、04年の新潟県中越地震や11年の東日本大震災を経て、実効性のあるペット対策が求められるようになった。
横浜市でも条例改正などにより災害時のペット同行避難を呼びかけてはいるが、防災拠点での取り組みは進んでいないのが現状だ。
このような状況において、昨年8月に大鳥小防災拠点関係者を対象としたペット同行避難の講習会が開かれ、飼い主や町内会長ら27人が参加。その対策の重要性から翌月に住民主導により検討会(22人)が立ち上がった。中福祉保健センターの支援を得ながらこれまでに検討会を4回開催し、避難訓練が5回目にあたる。
今回、講師を務めたドッグトレーナーの大久保芳樹さん(49)は「避難所では飼い主が面倒を見ることができないケースが多い」と話し、普段から他者に慣れさせる重要性を指摘した。
愛犬のシベリアン・ハスキーと参加した荻原満恵子さん(58)は「普段とは違うこのような経験は大切」と評価する。
中福祉保健センターの職員は「動物が苦手な人もいる。避難所でだれもが生活できるルールが必要」と話し「この訓練がルール作りへの一歩になれば」と期待していた。
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