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新市庁舎 建設地に多数の近代遺構 ふるさと歴史財団が企画展

文化

公開:2020年1月30日

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発掘調査で検出した資料を解説する青木副館長
発掘調査で検出した資料を解説する青木副館長

 横浜市新市庁舎の建設地=中区本町=から出現した遺構から近代横浜をひも解く企画展が1月18日から横浜都市発展記念館(上山和雄館長)=中区日本大通=で始まった。企画展は横浜市新市庁舎の建設を記念したもの。

 新市庁舎の建設地(敷地面積約1万3160平方メートル)は、「洲干島(しゅうかんじま)」と呼ばれた場所。砂洲の先端に位置し、江戸時代から続く洲干弁天社の社地でもあった。都市発展記念館を運営する(公財)横浜市ふるさと歴史財団の埋蔵文化財センターが新市庁舎の建設に先立ち、2015年8月から16年3月まで発掘調査を実施。幕末から明治・大正期にかけてのさまざまな遺構が検出された。発掘地域は、洲干島遺跡と命名されている。

 横浜都市発展記念館で始まった企画展は「近代横浜を掘る―洲干島からひろがる都市のすがた―」と題し4月12日まで開催。同遺跡の発掘調査の成果から、開港から関東大震災の復興にいたる都市横浜のすがたをひも解いていく。時間は午前9時30分〜午後5時。入館料は一般300円。月曜休館(祝日は翌日)。横浜開港資料館(2月〜)と横浜市歴史博物館(4月〜)=都筑区=でも関連の企画展を開く。

建物基礎や導水管跡

 企画展では、検出された遺構を時代に即して紹介。現在の大岡川護岸の内側から出現した石積み護岸(約20m)は、1862年にオランダ領事館の用地に同様の護岸が描かれた資料があり、幕末の1863年ごろに築造されたと考えられる。また、大岡川の河口の航路標識管理所だった煉瓦造倉庫の基礎が検出。その下には排水を流す導水管も発見された。ほかにも、本町小学校や横浜銀行集会所、生糸貿易で財を成した原富太郎の原合名会社アパートなどの建物基礎、横浜商品倉庫に保管された遺物など、1923年の関東大震災で壊滅的な被害を受ける前の遺構が数多く見つかっている。

 今回発掘された遺構は、新市庁舎の外構部分などに展示される予定。同館展示担当を務める青木祐介副館長は「横浜市内の近代遺跡の発掘調査が増え、新たな発見が続いている。この企画展は考古学の視点で楽しんでいただければ」と呼びかける。問い合わせは、横浜都市発展記念館【電話】045・663・2424。

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