中区・西区版 掲載号:2021年10月14日号 エリアトップへ

岡野の榮島さん 「きょうだい児」の絵本出版 病気の人、支える存在に光

社会

掲載号:2021年10月14日号

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完成した絵本を手にする一歩さん
完成した絵本を手にする一歩さん

 病気の子どもの「きょうだい」に焦点をあてた絵本『ぼくはチョココロネやさん』が10月15日に生活の医療社=東京都=から出版される。主人公のモデルは西区岡野の榮島一歩さん(6)。小児がんと向き合う兄と弟の一歩さんの思いが絵と文章でつづられている。

 一歩さんの兄は、3歳で脳腫瘍を患った四郎さん(14)。2019年に闘病体験などを紹介した絵本『ぼくはレモネードやさん』(生活の医療社)を出版し、テレビや新聞などで紹介され、注目を集めた。

「なんでお兄ちゃんだけ」

 その様子を見ていた一歩さんは「なんでお兄ちゃんだけなの」「ぼくの絵本を作って」と母・佳子さんにせがむようになったという。

 そこで佳子さんは、冊子程度になればと思い、自力で絵本づくりをスタート。友人でイラストを手掛ける川尻杏子さんの協力を得て、また出版社の理解もあり2年がかりで出版に漕ぎつけた。

 川尻さんが貼り絵と水彩を用いた個性的な絵を制作し、文章は佳子さんが書き溜めてた原作を川尻さんと相談しながら洗練させていった。

 作品のタイトルは、2年前に兄・四郎さんが手掛けた作品名と共通項を持たせ、一歩さんが大好きなチョココロネを採用。作品では、母と一緒にチョココロネをつくるシーンがあり、母を独り占めにしたいという弟(きょうだい児)の思いが描かれている。

 一歩さんは、母と一緒にパン作りをして、2人でお昼寝をしている間に、パンが発酵して大きく膨らむシーンが好きだという。

 絵本の完成に際し、「おにいちゃんにまけないようにつくりました」とコメントしている。

 佳子さんは「病気の子どものきょうだい児は、ポツンとしてしまうことがあります」と話し「この作品が、誰もがそういう存在になる時があるよ、また孤立して寂しい思いをしているきょうだい児への理解が一人でも多くの人に広がれば」と期待する。

 絵本は大型本32頁で税込1650円。書店や本の通販サイトなどでも予約、購入ができる。

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