市営地下鉄関内駅構内に1月18日、食品ロスを削減するロッカー型自動販売機が設置された。市などによるSDGsの取組の一環で、賞味期限内でありながら廃棄されてしまう売れ残ったパンを、割引価格で販売している。
自販機が設置されたのは、昨年市営地下鉄関内駅横浜スタジアム側改札近くにオープンした「SDGsステーション横浜関内」。市や交通局など4者が運営し、企業のSDGsの情報発信や市民啓発の場としてイベントや展示を行っている。
今回の取組は、消費者にお得にパンを購入してもらいながら食品ロスについて考えるきっかけにするのが狙い。自販機の設置は、コインロッカーの製造・販売会社「アルファロッカーシステム」=本社・金沢区=が協力。配送時のCO2排出量も抑えようと、市が近隣のパン屋に限定して声をかけたところ、「縁道パン」=中区相生町=が賛同した。
一般的にパン屋では陳列の見栄えを考慮して多めに焼いており、賞味期限(48時間)内でも約6〜10%が廃棄せざるを得ない現状だという。同店では閉店間近の割引販売などは行っておらず、夏場は毎日75リットルのゴミ袋2袋分ほどが処分される。「従業員の賄いなどで消費するにも限界があり、課題になっていた。SDGsに少しでも貢献できたら」と藤井敏明店長。また、さらなるSDGsの取組として閉店を1時間早めて補充作業を行い、ワークライフバランスも実現したい考えだ。
初日から売上好調
売れ残った食パンや菓子パンを組み合せて約3割引きとなる、300円〜1000円の4つの価格帯で販売する。中が見える透明なロッカーに硬貨を入れると扉が開き、パンと持ち帰り用の袋が取れる仕組み。18棚あるロッカーは500円玉がないと買えない棚もあり現金が必須だが、春ごろにはキャッシュレス決済もできる予定だ。月曜から金曜の毎日午後8時頃までに補充を行い、翌日の補充時に売れ残っていたパンは廃棄される。
オープン前日の補充時から立ち寄る人の姿が多く、初日は午前10時前に完売になるなど注目を集めていた。購入した女性は「SDGsの取組とは知らないで買ったが、食品ロス削減につながるのは良いですね」と笑顔に。市の担当者は「他の食品の需要もあれば広げていきたい」と話した。
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