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「代官山から馬絹をめざせ」

大震災当日、徒歩による帰社ルポ(その【1】)

掲載号:2011年3月18日号

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地震発生30分後の渋谷駅南口(11日15時26分、アイフォンにて撮影)
地震発生30分後の渋谷駅南口(11日15時26分、アイフォンにて撮影)

 3月11日14時20分、記者は渋谷区代官山町に向かうため、宮前区馬絹の川崎支社を出た。普段、都内へ出ることなどないのに、この日に限って広告代理店とのアポイントがあったのだった。 

 地震は途中の三軒茶屋駅で発生。停車中の車内で大きな揺れがあり、地上に出るとビルから出てきた人で騒然としていた。ここで記者は1つのミスを犯す。「とりあえず代官山をめざそう」。急いでバスに乗り込み、再び渋谷を目指す。その間、大きな余震が2度あった。車内で先方に連絡するも電話は不通。メールで「遅刻」の旨を伝える。そして渋谷駅に到着して、自分の甘さを後悔する。駅や建物から溢れる人、人、人。電車は止まり、バスも長蛇の列。電話もつながらない。「やばい。帰れない」。ただ、こうなると後には引けず。代官山を目指す決意を固める。繋がらない会社の固定電話はあきらめ、上司に安否のメールを入れてから代官山までの道を歩き出した。アイフォンのGPS付きナビを頼りに、30分かけて目指す会社にたどり着く。しかし、先方の担当者も地震の影響でまだ戻っていなかった。仕方なく資料だけを別の社員に渡す。この時点で時計は16時を過ぎていた。さあ、馬絹に帰らないと。

 渋谷駅に着く。当然ながらJRも私鉄もすべて運転見合わせ。まずはバスでの帰社を試みる。二子玉川までバスで行き、川を渡って支社の誰かに迎えにきてもらう胆だった。しかし、二子玉川行きは大行列。30分並んだが「道路が渋滞しているので、歩いたほうが早い」との呼びかけに再び記者は意を決する。すでに246の歩道には多数の”同志”が。記者もその群れに入り、固いアスファルトを踏みしめてまずは「最初の」目的地、二子玉川を目指した。(次号に続く)
 

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