新年の幕開けにあたり、本紙では黒岩祐治神奈川県知事に単独インタビューを行った。知事は「県内に第4の観光地を」との意向を表明、新施策への意欲を示す一方、初の予算編成に向けた取り組み姿勢などについてその思いを語った。
―まずは昨年4月の知事就任以来の感想・振り返りをお願いいたします。
「就任したのが3・11の直後、私としては猛烈ダッシュ、トップギアで走ってきたという感じです。私は『神奈川からエネルギー革命を起こす』ということを訴えてきましたが、原子力発電に依存しすぎない新しいエネルギー体系への動きが、すさまじい勢いで加速していることを実感しています。また『医療のグランドデザインを描く』ということも言ってきましたが、12月には『中間取りまとめ』を提出いただきました。エネルギーでも、医療でも、神奈川から現状を変えていく、神奈川モデルを作っていくんだということを県民の皆さんに訴えることができたと思っています」
―4年間で200万戸にソーラーパネルを、との公約実現は厳しいとの見方があります。
「200万戸にこだわっているのではなく、政策をバージョンアップした『かながわスマートエネルギー構想』を新たに提唱し、創エネ、省エネ、蓄エネの3つを組み合わせた2020年までの目標を掲げました。公約の後退や撤回ではなく、新しい政策を提示したということです」
―初めての予算編成となります。どのような基本姿勢で臨まれますか。
「『いのち輝くマグネット神奈川』という言葉に尽きます。いのち輝くについては、医療、教育、農業・食料、防災などトータルで考えていきます。それと、マグネット=磁力をそれぞれの地域で持つということです。地域の賑わいづくりや、観光のパワーアップ、企業がもっと進出したくなる仕掛けづくりなど、そういったさまざまな引き付ける力=磁力を生み出す予算にしていきます」
―12年度の新たな取り組みはありますか。
「神奈川県に、もうひとつ大きな観光の柱を作りたいと思っています。横浜、鎌倉、箱根に加え、もうひとつ大きな観光地が必要だと。それがどこなのか、具体化していきたいですね」
――候補地のイメージをお持ちなのでしょうか。
「それは地元の姿勢によります。地元が如何に本気なのかどうか。マグネット力が出そうな地域には民間もお金を出してくれます」
―最後に新年の抱負と県民へのメッセージをお願いします。
「昨年は震災という大きな出来事があって、非常に厳しい年でした。国の政治は不透明・不安定ですが、それとは別に、地方にできることをどんどんやっていき、『神奈川モデル』を提示しながら、県民としての誇りが持てるような施策を打ち出していきたいと思います。その上でも県民の皆さんとの意見交換は重要ですので、『対話の広場』などに、ぜひ、ご参加いただきたいと思います。直接対話で得られた声を県政に反映し、一緒に神奈川県を作っていきますので、どうぞ宜しくお願い申し上げます」
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