市立藤崎小学校(三上勤校長)に植えられている大島発祥の伝十郎桃(愛称、伝桃)が3年ぶりに実を付け、同校は先月19日、収穫祭を行った。
伝桃は1896年(明治29年)、当時の大島村の農家・吉沢寅之助氏が洋桃と和桃を交配して開発した。名称は父親の名前にちなんで付けられた。やがて市場に出回り1914年(大正3年)には皇太子に献納した記録もある。現在の「白桃」や「白鳳」「あかつき」「ゆうぞら」といったブランドの源流ともなっている。
区内での生産栽培は工業化によって大正末期に姿を消したが、2000年代前半に伝十郎桃の復刻運動がにわかに盛り上がった。藤崎小学校では2009年に茨城県つくば市から取り寄せられた伝桃の穂木を校庭にある花桃の木に接木し大切に育てていた。
実を付けたのは2013年以来で今年はゴルフボールよりも少し大きいサイズ。色も赤く染まった。関係者は「雨がそれほど多くなく、朝晩の温度差があったことが影響しているのでは」と分析する。
収穫祭には同校に通う6年生の児童が参加。飯塚正良市議から伝桃の歴史の話を聞いた後、収穫した15個の実を全員で味わった。山内雄斗さんは「家で食べる普通の桃より甘かった。また食べたい」と笑顔を見せた。
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