オール・フォー・オール皆が皆のための社会へ―。川崎市内の弁護士やNPO法人、行政職員、福祉関連施設職員らで構成される「かわさき子どもの貧困問題研究会(代表・本田正男弁護士)」は10日、慶応大学教授の井手英策氏を招いた講演会をミューザ川崎で開催した。
井手氏は慶応義塾大学経済学部教授で、財政社会学が専門。現在までに総務省、全国知事会、全国市長会などの各種委員を務めた他、日本の政治、経済、文化、国際関係等の優れた論考に対して贈られる朝日新聞社主催の大佛次郎論壇賞も受賞している。
井手氏は講演で今の日本社会が子育て、教育、医療や将来の介護など生活の様々な場面で現役世代に大きな自己責任を課し、不安にあふれていること、国内の経済成長に頼る個々人の収入増の限界などを指摘。その上で「税で未来の安心を買う」として、所得に関わらず等しく増税し、それを『みんなの蓄え』とし誰もが受けられる社会サービスを充実させるという仕組みを唱えた。
一見負担増に見えるが、子育てから老後までの社会サービスの充実が不安を取り除き、結果、可処分所得は増え、格差も圧縮されるという井手氏の言葉に多くの来場者は頷いていた。
同研究会の代表の本田さんは「井手先生から子どもの貧困解消に向けた市民のネットワークの必要性も向けられた。まずは川崎から進めたい」と話した。
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