気温の上昇に伴い、熱中症による川崎市内の救急搬送者数が増加している。5月1日から7月25日までに、前年比68人増の132人が搬送された。夏本番、市は区ごとに啓発を強化している。
市内の熱中症における救急搬送者は5月の9人と6月の24人に対し、7月は25日までに99人と急増。昨年5月から同日までの累計66件を約1カ月で超えた。川崎区の搬送者数は累計30人、幸区は11人だった。
掲示物など活用
市は今年度の熱中症予防啓発として、コロナワクチン集団接種会場でのチラシの配架や要請を受けた町内会でのチラシ回覧を実施。普通ごみ収集車の車体には啓発看板を掲出し、市立図書館7館では8月31日までポスターを掲示している。幸図書館では、カウンター脇の「薬学」の書棚の一角にポスターを掲示。環境省や市が発行する各種啓発チラシを設置し、来館者に熱中症予防を呼びかけている。
「エアコン使用を」
昨年度は65歳以上の高齢者が、市内熱中症搬送者の54%を占めた。市によると男性の割合が7割超と高いほか、気温が高くなり始める午前9時ごろが多いという。市は「午前中は湿度が高く、気温も急激に上がる。コロナ下でステイホームや在宅勤務中に、エアコンを使用していなかったことが考えられる」としている。
市担当者は「梅雨明けの今の時期は暑さに体が慣れていないため、注意が必要」と話す。エアコンの設定温度ではなく温度計で室温を確認し、28度を超えないようにすることや、湿度を40%〜60%に保つこと、こまめな水分補給などを呼びかけている。
環境省と気象庁は今年度、熱中症リスクが特に高い際に発令する「熱中症警戒アラート」を4月28日から10月27日まで全国で実施。期間中、市は高齢者に特化した啓発に取り組んでいる。
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