女子野球チーム「オール京急」川崎中の田中さんが活躍 全国大会で優勝
市立川崎中学校3年生の田中美羽(みわ)さんが所属する女子野球チーム「オール京急」が、第11回全日本女子軟式野球学生選手権大会・中高生の部で、優勝を果たした。同大会は、江戸川区の臨海球技場を会場に10日から12日まで開催され、16チームが熱戦を繰り広げた。
田中さんは同チームの副主将を務め、試合では1番セカンドとして出場。決勝戦では千葉県のマリンスターズヤングを相手に1番バッターの役割をきっちりこなし、勝利へ繋げた。決して順調に勝ち進んだわけではなく、準決勝は最大の難関だった。相手は東京都の村田学園。全員が高校生で、中学3年生と2年生で構成された「オール京急」とは、体格も飛距離も違った。
だが、田中さんは初回に2点を取られたその裏に先頭打者ヒットを放つなど全打席出塁。自身の信条である「足でかきまわす」プレーで貢献した。試合は取っては取られての展開で同点特別延長戦となり、2点を奪われたものの、その後の攻撃で3点をもぎ取って逆転勝利し、決勝戦に弾みをつけた。「とにかく塁に出ることを考えた。次の子達が絶対に打って繋げてくれると信じていたから」と、振り返る。昨年の同大会では準優勝だったため、喜びもひとしお。悔しさをバネに掴み取ったメダルだった。
「オール京急」は、硬式をメーンにK-BALL、軟式(1部)のチームとしても活動。女子プロ野球選手も輩出している。主に県内在住の中学1〜3年生が所属し、昨秋・今春ともに関東軟式大会で優勝するなどの実績を誇る。田中さんは兄の影響で小1から野球を始め、中学入学を前に参加した女子野球の体験会で「女子だけで硬式ができるんだ」と開眼し、入部を決めた。
被災地で活動する宮城県の「宮城ドリームガールズ」と対戦した際には、試合後にチームで寄せ書きの色紙をプレゼントし、エールを送ったこともある。「大好きな野球ができて、その野球を通して繋がれるのは素晴らしいことだと伝えたかった」。ライバルだが、同じ野球を愛する仲間でもある。その絆を感じたとき、「野球をやっていてよかったと心から思う」という。
卒部まであと数カ月。「全日本代表」という大きな夢に向かって、田中さんは今日も白球を追いかける。
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4月26日
4月19日