川崎市消防局はこのほど、2016年中の救急出場状況を公表した。昨年1年間の川崎市内の救急出場件数は6万8439件(前年比2614件増)で、8年連続増加。搬送人員数とともに過去最多を更新した。
7分42秒に1件
救急出場件数の内訳は、急病が4万1768件(前年比2068件増)、一般負傷は9133件(同比325件増)、交通事故は3886件(同比33件減)となっている。市内には27台の救急車が配備されているが、昨年は1日平均187件、約7分42秒に1件の割合で救急出場が発生している。
8年連続で救急出場の件数が増えていることについて、市の消防局は高齢化に伴い、65歳以上の高齢者の体調悪化などでの要請が増えていることが一因とする。また、市の人口が増え続けていることに伴った増加もあるのではとみている。
救急車の適正利用を
一方で、以前から指摘されている救急車の適正利用については、いまだに大幅な改善が見られていないという。2016年中の救急出場件数と搬送人員数の差である不搬送件数は8502件で、5年連続増加。その大半は対象者が搬送を辞退したものとなっている。
例えば、「酔っぱらっていただけにも関わらず、周りの人が心配して救急車を呼んでしまった」というケースなどが挙げられる。実際に搬送されたケースでは「病院に行きたいけど足がない」、「どこの病院に行けばいいか分からない」などといった理由で救急車を呼んでしまったという事例がみられる。
市では救急車の適正利用を呼びかけている。川崎市救急医療情報センター(【電話】044・222・1919)では24時間体制で医療機関を紹介しており、交通手段がない場合にはタクシーや民間救急車の案内も行っている。
また、市のホームページでは「川崎市救急受診ガイド」を提供。症状に応じていくつかのチェック項目が提示され、回答に応じて緊急度が分類されるので、救急車を呼ぶ判断の一助として利用できる。
川崎区・幸区版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|