今年10月に行われた「橋本駅南口交通社会実験」の中間結果がこのほど、相模原市・都市鉄道交通政策課から発表された。現在も事後調査、利用者からのアンケート調査が継続して実施されているものの、実験は概ね成功、問題視されていた渋滞は大幅に改善されたという。
今回の交通社会実験は、今年10月17日〜28日までの12日間、橋本駅南口で行われた。以前から問題視されていた、路上での送迎、待機駐車などを原因とする交通事故や渋滞の緩和が目的。自転車レーンの設置、信号交差点での右左折規制、路上駐停車対策の強化など、市内でも珍しい大掛かりな実験となった。
今回発表された中間結果では、「課題だった渋滞が初日早朝を除き、ほぼ解消」「バスの走行時間が夜の帰宅時間帯で最大20%改善」「実験区間での交通事故が0」と概ね成功だったと報告されている。
渋滞の起点規制が奏功
今回の実験で設置された橋本地区初の自転車専用レーンは、通行者の約半数が利用。歩行者と自転車の通行がスムーズになり、「大きな成果だった」と市交通政策課では話しており、現在も継続して実施されている。また事故が起こりやすく渋滞の基になっていた橋本2丁目交差点を左折禁止としたことで、規制を守らない車両による渋滞が一部発生したものの、同交差点を起点とした渋滞はほぼ解消されたという。
また駅前から相原高校正門前の道路につながる橋本駅南口交差点を右折禁止にしたことで、右折待ちによる渋滞も解消。バスの定時性の確保はこの交差点の影響が大きかったとされることから、現在も継続して行われている。
効果ありも一部課題
実験期間中、バスの降車場を、駅南口交差点付近に新たに設置したことによって、路上駐停車、同交差点内での乗降が激減。利用者からも好意的な意見がある中で、JRのエスカレーターから遠くなったことへの意見も寄せられているという。
さらにマイカー乗降場移設については、適正に利用されたものの、送迎される人の駅前広場周辺の乱横断が多く、横断歩道の設置や歩行者動線の確保を望む声もあがっている。相原高校正門前道路の一方通行化は、車道を歩く通行者は減る一方で、周辺の乗降や駐停車の規制を行ったため、この道路で乗降を行う車両が増えたことが課題に挙がる。
1月下旬に最終発表
結果・課題踏まえ審議
これらの実験によって、橋本駅南口への交通量は約1500台が減少し、アクセスが向上したほか、駅周辺の生活道路への流入も増加せず、周囲への影響も抑えられたという。また、「西橋本2丁目〜橋本駅南口」間で測定したバスの所要時間は、1日平均約14%(約30秒)の短縮、最大で18時から終発の時間帯で約20%(約40秒)が短縮されている。
こうした実験の結果分析や、さらなるアンケート調査は現在も行われており、来年1月下旬にまとめられる方向だ。まとめられた実験の成果、課題を踏まえたうえで、地域住民、有識者らで構成される推進委員会で駅前のレイアウトの変更、規制などを審議していくという。交通政策課では「実験の結果は概ね成功だったのでは。最終結果をみて、今後短期的に改善できるものもあれば、長期的になるものもあると思う。突き詰めてやっていきたい」と話している。
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