相模原市消防局は今月から、基地局や消防車などに設置してあるアナログ無線機のデジタル化を進めている。音声通信だけでなく、画像データなども電送できることに加え、秘匿性が高まり、より詳細な情報が送れるようになるという。同時期に県内の消防無線も整備が進められていることから、広域ネットワークの構築が可能になり、災害時の応援の要請などが広域に迅速かつ正確にできるようになる。
現在、相模原市消防局で使用しているアナログ無線は、有効期限が2016年5月末となっている。そのため、今年度から2014年度までに、市消防指令センター(中央区)、三井金沢、青野原山中、鉢岡山、青根橋津原、小仏城山(緑区)、相武台分署(南区)の市内7カ所の基地局と、消防車、救急車96台のすべての無線機を順次、デジタル式へと移行していく。
整備する無線は、神奈川県全体で使われる共通波と、市の消防活動で使用する活動波の2つ。これまで使用していた周波数150MHは、アマチュア無線などで一般の人でも通信を傍受することができるほか、回線が混雑していて通信の送受に支障をきたすことが問題になっていた。また、南区の一部では、電波が届かない地区もあったという。
デジタル移行後は、活動波、共通波ともに周波数260MHzを使用。データは電送形式となるため、一般で傍受することができなくなり、本来あるべき秘匿性が高まる。さらに、画像や多量のデータの送受が可能になることに加え、電波が届かないなどの問題も解消され、市内全体に迅速により詳細な情報を届けることが可能になるという。
県全体でネットワーク化
また、同時期に神奈川県全体でもデジタル化への整備が進められている。これまでのアナログだと、仮に小田原に緊急消防援助隊がいた場合、市内で大きな災害が起きた際に応援要請を行っても直接は電波が届かず、後手を踏むことも起こりえた。デジタルになれば、県全体でのネットワーク化が実現。広域での迅速な通信が可能になるため、有事の際に有効な手立てとなる。
「電波を有効的に、効率的に利用できるため、広域での通信が可能になり、非常時などに迅速な対応が取れる」と市消防局では期待を寄せている。
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