今ではあまり家庭で見られなくなった、津久井地域の伝統食”煮込みうどん(通称・にごみ)”。この伝統食を復刻させようと、津久井地域商工会連絡協議会と東京家政学院大学が連携して、再現プロジェクトチームを発足。当時のレシピを公開し、地域の飲食店で食べられるよう協力店を募っていくとともに、イベントなどで周知を図っていく予定だ。
津久井地域では、昭和初期までは水田が少なく、雑穀に適した立地条件などから、米よりも小麦や大麦を使った「うどん」や「すいとん」「饅頭」などがよく食べられていたという。その中でも、多くの家庭で”母の味”として、毎日のように手打ちうどんが食卓を彩り、家庭個々の味が代々受け継がれてきた。
そうした伝統がありながら、食文化の発展とともに、地域の味が忘れられていく中、同協議会では「津久井の伝統食を再現しよう」と、東京家政学院大学と共同で、昨年6月に再現プロジェクトチームを発足。昔の家庭料理を知る地域の高齢者を訪問して、当時の様子や各家庭のにごみの作り方の調査を進めた。
調査を進めていくと、にごみの味付けは、城山は醤油、藤野は味噌、津久井と相模湖は双方の味の家庭が多く、同じ津久井地域の中でも味が異なることが判明。そうした調査と地域に残っていた文献資料なども参考にしながら、このほど、復刻レシピを完成させた。
レシピはうどんそのものの作り方を中心に野菜の種類、調理方法、味付けの調え方などが紹介されている。津久井地域商工会連絡協議会では「代々家庭に受け継がれていた煮込みうどんの味が消えつつあり、今回東京家政学院の協力で、参考となるレシピを完成させることができました。美味しいものになったと思うので、今後は地域のお店で食べられるようにするとともに、イベントなどでも普及活動に力を入れていきたい」と話している。
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